もしあなたがSEO業界に5分でもいるというなら、ブラックハットSEOとホワイトハットSEOのどちらかに精通することになるだろう。
ホワイトハットSEOは役立つコンテンツを使う手法だ。コンテンツは人のために作成され、検索エンジンはコンテンツを探す誰かのために表示される。
一方で、ブラックハットSEOはユーザーと検索エンジンを騙す手法だ。ブラックハットSEOはランキングを上げる目的で使用され、長期間の価値を提供するかは怪しいしクライアントに害を与える可能性すらある。
3番目の手法として、ホワイトハットともブラックハットとも簡単に判断できないものがある。これは両者の中間、倫理的にグレーなエリアに位置するものだ。こうした手法はグレーハットといわれる。しがし、問題はグレーハットの手法は存在しないということだ。
これはSEO業界にグレーなエリアが存在しないという意味ではない。個人のSEOに適用する場合、グレーハットSEOは不正確なだけではなく、間違った正当性を与えることにある。
もちろん、こうした問題について語るのであればグレーハットSEOを定義しなければならない。しかしそれが何なのかについては皆が異なる意見をもっているだろう。これに関して、私はいくつかの重複する定義を見つけている。
- 検索エンジンのガイドラインによって禁止されている欺くことを目的としたテクニック
- 合法的な目的で使用されているブラックハットの手法、騙すことが目的ではない場合、すべてのウェブマスターが使用しているであろう技術
- 検索エンジンに認められていない技術だがペナルティを科さない(科すことができない)手法
- 2008年の記事「The Case for White Hat SEO」によると、ブルースクレイはグレーハットSEOを使う人の80%はホワイトハットSEOについて知らない
- John Andrewsによれば、グレーハットSEOはGoogleの公開するものから照らし合わせても曖昧な部分が残る手法で、Googleガイドラインの「正しい考え」やサポートに同意できない合理的な人がとる手法
SEO手法のマトリクス
結論としては、記事と検索エンジンガイドラインの両方についての事実から答えを出していることが分かる。
そこでSEO戦略を考えるにあたって、2つの質問をしなければならない。
- 戦略は検索エンジンのルールやガイドラインに沿っているか?
- 戦略は検索エンジン、またはユーザーを騙す目的のものか?
ブルースクレイではマトリクスを用いてこの質問ができるようにしている。
この図を見ると、グレーハットはホワイトハットを理解していないのとは異なることが分かる。ウェブマスターが他の良い方法を知らないが故、検索エンジンガイドラインに違反してしまう手法が「ホワイトハットを理解していないSEO」である。
ではグレーハットSEOは何か?下記にいくつかのグレーハットにまつわる手法を紹介している。しかし、よく見ると私達が思っているほどグレーではないことに気づくだろう。
悪意のないクローキング
あなたのサイトがあるお酒のブランドの広告を出しているとしよう。あなたは訪問者にポップアップで21歳かどうか確認する。しかし、Googlebotには自由なアクセスを許可したい場合、ロボットにはポップアップを表示させないようにする。
これはブラックハットな技術ホワイトハットな目的で使用されている例である。重要なのは手法の使用目的である。誰かを騙す目的がないのはホワイトハットである。
期限切れドメインを購入して、リンクジュース目的で301リダイレクトを設定
グレーハットと分類されるかどうかはGoogleがあなたのサイトを見つけたとき、こうしたリダイレクトリンクに対してペナルティを与えないかどうかだ。もしペナルティのリスクがない場合であっても、この手法は検索エンジンを騙す行為でウェブ上のポピュラリティを詐称するものではあるが。
記事スピニング
キーワードやフレーズを変えただけの記事は一見オリジナルコンテンツのように見える。これは見つけづらい上にコンテンツを単純に複製するよりも努力を要するため、グレーハットとみなされている。しかし、これもごまかす行為でランキングを上げようとしているだけだ。
グレーハットSEOなんてカテゴリはない
上記2番目の2つの例は、しっかりと役立つコンテンツを作ろうとしていないのに検索エンジンを騙そうとして、さらに上位表示を達成としている。これは本当にグレーハットだろうか?こうした手法はブラックハットよりもマシなのだろうか?
私はそう考えている。
私はSEOコミュニティではグレーハットという呼び方を辞め、こうした手法を「ウィークブラックハット」とでも呼んだ方が良いと考えている。一方で悪質なクローキングやリンクファーム、スクレイピングをするブラックハットを「ストロングブラックハット」としたい。
つまり上で見せた図が下のようになる。
もちろんグレーなエリアはまだ残っている。そして合理的な人は、未だにホワイトハットやウィークブラックハットに近しい手法に同意できないだろう。しかし、グレーハットという言葉は不正確であり、誤解を招き、極論を言うと必要のないものだ。だから私達はグレーハットをSEO手法のカテゴリとして使用することを辞めるべきなのである。
本記事は、BluceCrayの『There’s No Such Thing au “Glay Hat” SEO』を翻訳した内容を掲載しています。
本来あるべき姿はもちろんホワイトハットなSEOですが、クライアントが欲するものは短期的な結果(ブラックハットなSEO)であるケースも多いのが現状です。
使う使わないは別にして、技術を知っておくという意味ではブラックハットの研究も怠ってはいけません。
利用する場合は、メリットデメリットを提示して了解の上でサービスを提供していく、というのが弊社の考えです。
LiAメディアマーケティングセクション 加藤